19世紀の後半に米国の証券アナリストのチャールズ・ダウ氏が、以下の6つの法則から構成される株式相場の値動きを分析するための理論(ダウ理論)を提唱しました。
- 価格はすべての事象を織り込む
- トレンドは3種類ある
- トレンドは3段階ある
- 価格は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する
株式をよく知らない人でもニュース等でNYダウとかダウ平均という言葉を耳にしたことがあると思いますが、このチャールズ・ダウ氏が由来になっています。
このダウ理論は先述の通り元々は株式用のものですが、FXでも適用できるものとして世界中のトレーダーに利用されています。
ダウ理論その1 価格はすべての事象を織り込む
ファンダメンタルズ、地政学的リスク、災害等々の世界中のあらゆる出来事はチャートの値動きに反映されているというものです。
ダウ理論その2 トレンドは3種類ある
トレンドはその継続期間で以下の3種類に分けられるというものです。
3週間未満 | 短期 |
3週間から3ヶ月間継続 | 中期 |
1年から数年間継続 | 長期 |
FXの場合でも同じ3種類ではありますが、期間は短いものになります。
ダウ理論その3 トレンドは3段階ある
トレンドはその発生から終了まで以下の3段階に分けられるというものです。
大口が発端となって値動きが出る | 先行期 |
多くの投資家が参入してトレンドが形成される | 追随期 |
大口が利確する | 利食期 |
FXの場合でも私たち個人投資家は追随期にエントリーすることが重要です。
ダウ理論その4 価格は相互に確認されなければならない
トレンドの把握には相関性のある複数銘柄の確認の必要があるというものです。
FXの場合では相関性のある複数の通貨ペアやファンダメンタルズを確認することになります。
ダウ理論その5 トレンドは出来高でも確認されなければならない
トレンドが継続中であれば売買の成立数量(出来高)が増えているというものです。
株式相場では出来高を正確に把握できるものの、為替相場では正確に把握できません。
よって、これをFXにそのまま適用するのは難しいと言われています。
ダウ理論その6 トレンドは明確な転換サインが発生するまで継続する
これは文字通りの意味で一度発生したトレンドは明確に転換するサインが出るまでは継続するというものです。
ダウ理論の中でこれが日常的なトレードで実践的かつ最重要な法則になります。
まず、トレンドというものは上昇トレンドと下降トレンドの2種類あります。
チャートは上下ジグザグの値動きになりますが、上昇ドレンドは高値と安値が切り上がっていく状態、下降トレンドは高値と安値が切り下がっていく状態と定義されます。
では転換サインとは何かというと、上昇トレンド転換は高値切り上げを失敗し安値をブレイクする状態、下降トレンド転換は安値切り下げを失敗し高値をブレイクする状態になります。
転換時のチャート形状は直近の山や谷の数によって、上昇トレンド転換は三尊やWトップ、下降トレンド転換は逆三尊やWボトムと呼ばれます。
5分足以下の短い時間足では転換サインのようなチャート形状が頻繁に現れて騙しに遭いやすいため、上位足とのマルチタイムフレーム分析が重要です。